2018.02.15
#68「知識の学問と智慧の学問」
知識の学問と智慧の学問は、違う。
知識の学問は、理解力、記憶力、判断力、推理力等、つまり悟性(物事を判断・理解する思考力、知性)の働きによって誰でも一通りできるものである。子供でも大人でもできる、善人も悪人もできる、程度の差こそあるが、誰でもできる、その意味では機械的な能力である。
しかし、そういうものではなく、もっと経験を積み、思索反省を重ねて、性命(生まれながら天から授かった性質と運命)や、人間としての体験の中からにじみ出てくるもっと直感的な人格的な学問を智慧の学問という。だから知識の学問より智慧の学問になるほど、生活的・精神的・人格的になってくるのである。
古典によって人間を磨き、それを経験につなげていく。そうやって知恵を身につけ、それを深めていくことで揺るぎなき人格が育まれていくのである。