2018.03.2
#73「事上磨錬(じじょうまれん)」
王陽明の説く自己修養のあり方で、「事上」は‘行動や業務をしながら’という意味で、「磨錬」は磨きをかけること。つまり、日常の業務をしっかり行い、それを通じて修養することが真の学問であるという意味である。思想というものは、時に現実から遊離して一人歩きをし易いものであるが、本当の思想・理念というものは、決して日々の生活から遊離するものでなく、日常において自らの良知を致すことこそが、真実の意味における学問であり自己修養であると言える。実際に行動や実践を通して、知識や精神、人格を磨くことを忘れてはいけない。従って、日常の基本動作、仕事面、生活面、応待面においても事上磨錬することが大切である。先ずは、挨拶や身の回りの整理整頓、時間や期限、約束を守る等、当たり前のことを点検したい。
*良知を致す(致良知)とは?
人が生まれながらに、もっている是非・善悪を誤らない正しい知恵を最大限に発揮すること(孟子説)