「物に本末あり、事に終始あり、先行するところを知れば即ち道に近し(大学)」
(訳)
物事には根本と末端があり、終わりと始まりがある。何が先で何を後にするかそのことがわかれば求める正しい道が自ずと見える。
物事には始まりと終わりがある。始まりが良ければ結果として良い終わりを迎えることができる。
良い結果を求めるためには始まりを良くすることがまず大事になる。経営者は物事の始まりを慎重にすることが良い結果に結びつくことを改めて認識すべきである。
例えば、新規事業を計画しているなら慎重に十分な調査、分析をし、勝算があるかどうかを見極めるべきである。その上で勝算ありと判断されたら迷わず果敢に動くこと。
どうしても忙しくなると目先の仕事に追われ、どれが先でどれが後かが分からなくなってしまう。
よくよく見ていると、後で良いことを先にしてしまい、今やらねばならないことを後回しにしていることが多く見られる。そこが分かればより効率良く仕事が捗る。
経営者に必要な資質の1つが物事を俯瞰してみることができるかどうかである。自分がやらねばならないこと、会社の諸問題等を冷静に慎重に俯瞰して、何が先で何が後かを判断することが大切である。これを優先順位と劣後順位という。つまり何かをやると決めたら同時にやらないことも決めているのである。
仕事における要諦は、何が重要で何が些末なのかを見極め、入念な準備が満足いく結果に繋がることを理解し、何を先に為し、何を後にするかに尽きる。このことが実践できれば成果が大いに上がる。