2017.05.18
#7「事業と人物」
単なる人材と人物は、異なる。
事業を営む指導者リーダーの「人物」としての内容を以下に説明したい。
古来から、人物といわれる人には、根本に気力・活力・気概・気魄・骨力というものがある。これはあらゆるものを産み出す創造的エネルギーであるから、現実に甘んぜず、必ず、実現しようとする何物かを発想する。即ち、理想、志を持つようになる。この理想を持った気力を「志気」という。この志気は、旺盛でなければならないが、現実のさまざまな、問題や矛盾抵抗にあっても、折れず、挫けずに一貫性、持続性、不変性をもたなければならない。これを「志操」という。そして、それを実践して締めくくれることを「節操」という。理想を持ち、一貫不変の節操を持って生きる人は、単なる認識ではなく、何が宜しいか(義とするか)何が宜しくないか(利となるか)という、高い価値判断が出来る。これを「見識」という。見識は勇気を持って実践する行為とならなければならない。その決断力、実行力を持つとき、これを「胆識」という。このように、人間が旺盛な理想精神を持ち、節操・見識・胆識ができて来ると、そこに人間の大きさが生まれて来る。多くの人を容れることが出来る。具体的には、人生のいろいろの悩み、苦しみを受け入れて、ゆったりと処理して行ける。これを「度量・器量」という。人間が、このように、洗練されてくると、その人らしい独特な品格、風格が出てくる。それは、人格の調和であるから柔らかに和やかに、なんとなくリズミカルになる。これを「風韻」「格調」という。即ち、格調の高い人になる。これは造詣の深い人にて、初めて到達する境地である。
以上が、「運命を創る 安岡正篤著」で説明されている内容であるが、事業経営者や組織のビジネスリーダーとして考察するならば、上記の内容に加え、皆を率いて、結果や成果を出せることが、株主やステークホルダーから求められる。しかも1度や2度の成果ではなく、持続して結果を出し続けて、周囲からリーダーとして認められ、信望が得られることとなる。