2017.10.16
#54「運」「鈍」「根」
昔から成功の秘訣として「運」「鈍」「根」の3つがあげられる。
「運」とは時の運勢に乗じることであり、「鈍」とはいたずらに利口ぶらずに世の利口者に比べれば「鈍」とも見えるような態度でやることであり、そして「根」とは根気強く飽きずにやり通すことである。
ここでいう「鈍」と「根」を例えて言うならば、ウサギがピョンピョンと河の表面をとんでいくのに比べれば、ゾウガメが、河の底まで徹して踏みしめつつ、のそりのそりと河をわたる姿は、どう見ても利口者とは見えないが、その「鈍」とか「根」とかに通じるような在り方に尊いものがある。
「止まる」とは「歩む」ことである。後ろ足をしっかり止めるからこそ、前足が勢いよく踏み出されるものであり、木の根がしっかりと大地に定着しているこそ、枝葉が勢いよく生長していくことが出来るようなものである。